旧作

泣き虫しょったんの奇跡

3.5点

監督：

出演：

松田龍平、野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、上白石萌音、石橋静河、板尾創路、藤原竜也、大西信満、奥野瑛太、遠藤雄弥、山本亨、桂三度、三浦誠己、渡辺哲、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼

ジャンル：

邦画 / ドラマ

スポットレンタル価格：105円(税込)

アマチュアからプロ棋士へ、史上初の偉業を成し遂げた瀬川晶司の実話を松田龍平主演で映画化。年齢制限の壁にぶつかり、プロ棋士への夢を断たれた“しょったん”こと瀬川晶司は、将棋とは縁を切り平凡な生活を送っていたが…。

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泣き虫しょったんの奇跡の作品情報

（作品情報に関するお問い合わせ）

レンタル開始日：

2019-11-27

制作年：

2018年

制作国：

日本

品番：

VPBT-23092

制作：

脚本：

原作：

音楽：

収録時間：

127分

メーカー：

バップ

音声仕様：

日：ドルビーデジタル5.1ch／ドルビーデジタルステレオ、日（バリアフリー音声ガイド）：ドルビーデジタルステレオ

色：

カラー

字幕：

日（バリアフリー）

画面サイズ：

ビスタ

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泣き虫しょったんの奇跡のレビュー

現在4件のレビューが投稿されています。

レビュー総合評価

★4つ (3.5点)

評価分布

星5つ: (0)
星4つ: (2)
星3つ: (2)
星2つ: (0)
星1つ: (0)

作品の印象

ためになる

作品の印象グラフ

3点 2019-12-07 いづみ屋 (2198)

豊田利晃の逮捕によりDVD発売が遅れていたが、その後の釈放によりようやく発売となった作品。豊田は才気を感じさせる監督だが、この映画にはその片鱗も感じられず、ただダラダラと瀬川晶司という実在の人物が、少年の日に将棋を好きになり、奨励会に入って修行するがプロになれないで年齢制限で失格となり、２０代後半になって大学に入って就職し、しかしアマチュアの強豪として活躍して、周囲の応援を受けて、例外的なプロ編入試験に合格して晴れてプロ棋士になるまでを順を追って描いただけの作品になっている。将棋のプロ棋士を選抜する奨励会がどんなに厳しく、多くの青年が挫折して去っていくことを強いられるものであるかは、それを描いた本も多く、現に監督の豊田自身もかつて奨励会に身を置いていて目的を遂げられなかった。だだ、個人的な感想をいうと、将棋というゲームは、頭の柔軟な子供なら１日でルールを覚えられ、好きであればメキメキ上達するものであり、例えば今を時めく藤井聡太は５歳で将棋を覚えて１４歳でプロ棋士４段となっている。そういう人でなければタイトルを争うようなトップ棋士にはなれず、現に瀬川もプロ棋士となった後は、目覚ましい活躍を見せたということはなく、いわば多くの棋士の中の１人という存在にとどまっている。それをみるとそこまでして棋士になる必要があるのか、そのような存在の棋士を作るのに特例を設けてまでする必要があるのか、という気がしないではないが、本人は、どうしても好きな将棋で食べていける棋士になりたいと思い、その道を貫いた、ということなので、傍からあれこれ言うべきことではないのかもしれない。いずれにしても、映画としては、平凡な作品という気がした。出演者はカメオ出演のような松たか子、妻夫木聡をはじめなかなか豪華である。

3人が参考になったと評価しています。

3点 2020-10-06 DVDあかり (1730)

松田龍平、「舟を編む」を彷彿させる演技、こういう役柄がすんなりとはまる人ですね。
映画としてのお話の構成、進め方は、なんと申しましょうか、淡々というか、平板というか、
地味というか、それでいてあまり退屈はさせないという微妙な筆さばきです。
棋士達の独特の佇まい、雰囲気、その間に流れる空気、そこを表現することに対する
強い拘りも感じられる作品です。そして何よりも、ピシッと指す、あの音が気持ちいい。
脇役ちょい役が何気に豪華なので、一般人としてはそこにちょっとびっくりするわけですが、
それでいてコアの将棋愛好家にはわかるその筋の人もそこかしこに出演しているらしい。
ちなみに終盤の6番勝負の対戦相手に唐突にピンクだらのけのコスチュームの方が出てきて
びっくりしたのですが、あれは忠実な再現であってそのご本人が出演していると後で知りまして
またびっくり。

1人が参考になったと評価しています。

4点 2020-01-05 たていす (447)

4段に26歳までに成れないと退会させられるという理不尽な世界彼もまたプロには成れないのでその世界から去るが32歳の時プロになれた　今はどうしているのだろう

1人が参考になったと評価しています。

4点 2020-07-07 茶雅丸 (1653)

アマからプロへの編入に挑む棋士の再現映画。

将棋映画だが昨今の藤井ブームに押されて脚本・監督に務めたようである。
泣き虫がどうとかで不可解な題字ながらも中身の程は硬派な棋士たちの実話物語。

主演の松田龍平が演じる瀬川棋士は実在する人物であり彼自身が原作のなかで自身の経歴を記したものを映画の下地としている。
奨励会に所属していた豊田監督が映画化しただけあって奨励会の再現シーンが優れていた。
かつてドキュメンタリーで奨励会の様子を眺めていた覚えがあるが、確かにこんな雰囲気の場所であった。

映画では棋士たちの生態だけでなく１９９０年代あたりの懐かしい日本の過去の街並みや生活感も再現されていた。
室内シーンや野外での撮影にもこだわっているし対局の緊迫感も伝わる。棋士の細かい挙動なども実話に相応しい再現の入れ込みよう。

「聖の青春」に続いて本作もまた棋士の生い立ちを綴った後続作となるが、観る人によって個々の棋士たちの実力の見立てだとか選り好みもあろうが、アマからプロへの編入という「奇跡」については実に61年ぶりの快挙ということで瀬川氏の足跡は特筆に値するのではなかろうか。

ポイントとしては、四段以上でなければプロ認定されないとか年齢制限があるといった条件設定になるわけだが、ざっくり言えば、奨励会に入らないとプロにはなれない慣例があり、戦績を残せず退会なんかしたら、もうその時点で爪はじきされてプロどころか名人への夢も断たれ、なにもかも人生お先真っ暗であるという暗鬱たる「伸び悩み」があるということだ。

つまり昇段のチャンスを逃すと、せっかくプロ棋士になれるかもしれないというのに、先々の（可能性としての）キャリアを失うことになりかねない。
このことだけを念頭にいれておけば、将棋の駒の進め方に詳しくなくても本作は十分にメインの筋書きを堪能できる。

映画では人柄のよさばかりが伝わるが、瀬川棋士が奨励会を「見返して」やろうとして弁護士を目指す場面の再現は省かれていた。

ただし本編中で奨励会を去った者は例外なく恨み節になるようなことをサラリと言いのけていて、これは多分この作品の監督自身も含めてのことだろうし、瀬川棋士も例外ではなかったのだろうと感じた。

映画だけ眺めると聖人君子のような人のよさだが人並に「恨み」もするだろうし勝負師として勝気なところも当然あるはずだが、そこはあまり表に出さないというのが棋士の性分である。なにせ「気を散らせば負け」なのだから気分を落ち着かして冷静さを失わないことが勝利への近道。

映画では何度も「負けました」と頭をうなだれるシーンが撮られ、負けるたびに観ているこちらも「はぁ」という溜め息とともに、勝ち越せないもどかしさを感じるのだが、後半にかけては編入の場面になるにつれて見違えるかのように「ようやくプロらしさ」が滲みでてくるかのようだ。

興味深いのは映画では語られない後日談として「その後の瀬川棋士が昇段をし続けた」こと。
四段から五段へ駆け上がり、これで終わりではなく、なんと２０１８年の時点で六段まで昇段したようである。

採点は星四つ。
題字がヘナチョコであまり期待せずに観たが予想外に完成度が高かった。
一部事実関係が抜け落ちているのが惜しいが改編して主演の人物像を美しく仕上げようとしたのかも。
将棋のところに目が行きがちだが邦画としてはある種の人生上のサクセスストーリーとして観るべきだろう。

凡そこれという弱点が見当たらず物語が適切にプロットされていて豪華メンバーの配役。
将棋という題材で知的醍醐味も味わえるため低俗なムービーでもない。
１９９０年代の時代考証とその再現が優れており懐かしさが漂う。とりわけ将棋道場の室内場面がなかなか味わい深い。
瀬川棋士は別名「サラリーマン棋士」でもある。この映画は一昔前に庭付き一戸建ての「中流家庭」と呼ばれた暮らしを
再現した家族映画としても秀逸であり幼少期にかけての学友や教師との交流が「泣かせる」ようだった。
また将棋界だけでなく１人の男の進路（就活のようなもの）としても現代の社会性をタイムリーに反映しているといえる。
恋愛譚が弱含みなのだが「あっ」と言わせる展開がある。これで終わるのは情けないと思いきや後日ちゃん
と「華をもたせた」フォロー画面を映している。

総じてこの映画の完成度からすれば星四つが相応しい。五つにならず一つ減点対象としたのは将棋界そのもの
が玄人じみており映画を観る人を選び、やや偏屈な女っ気の乏しさが際立つことがその理由である。この種の職能的
な性差別はやむを得ないのかもしれないし女流棋士がちらりと出演するものの全般的に、というか結果的には
「男社会（ほぼ男だけの眼差し）」の偏った撮影になっているということで人類的観点から物足りなさがあり
ワンランク間引きせざるをえなくなった。

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豊田利晃×ためになる松田龍平×ためになる野田洋次郎×ためになる

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