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仮面ライダー THE NEXT前作は「イケ面ライダー」しか見る所の無かったあまりにも酷い作品でしたが、本作は古典的とも言える”怪人ホラー”の要素を見事に織り込み桁違いの醍醐味のある作品です。しかも前作で評価の高かったスーツのデザイ…(続きを読む)前作は「イケ面ライダー」しか見る所の無かったあまりにも酷い作品でしたが、
本作は古典的とも言える”怪人ホラー”の要素を見事に織り込み桁違いの醍醐味のある作品です。
しかも前作で評価の高かったスーツのデザインはV3にも反映され、ライダースーツの決定版と言っても良い出来映え・・・
さらにその出来の良いスーツで近年のライダーでは見る事の出来ない、
「得物に頼らない肉弾戦」を味わう事が出来、往年のライダーファンの、
忸怩たる思いも一掃してくれる作品でもあります・・・
と、褒めちぎっておいてなんですが、ワイヤーアクションや撮影後の合成での、
モーションコントロールが甘く、いかにも嘘くさい動きをしているのも事実・・・
素材が良いだけに余計に目に付くのでこの辺りは”次”があれば頑張って欲しい所・・・
あと、TVシリーズのライダーでもそうなのですが、ホンダが車両協力して以降の、
マシンデザインの劣悪さも本作品をスポイルする所・・・
特に歴代ライダーマシンで屈指の格好良さを誇ってきたV3の愛車”ハリケーン”があれではネェ・・・
保安部品や改造申請と言ったややこしい手続きを嫌ってのお手軽改造なんだろうけど、それにしても酷すぎる・・・
さらにそのバイクアクションはスピード感もなければそのアクション事態も嘘くさすぎて爽快感の欠片もない・・・
もっとバイクのアクションに精通している人をアドバイザーに据えるべきでしょうねぇ・・・
バイクアクションで言えばTVシリーズの「仮面ライダークウガ」のように、
モトクロスのチャンピオンを据えてとんでもなく素晴らしい”技”を魅せた作品もあるのですからねぇ・・・
物語に関しては下手につつくとネタバレになりやすいのであえて語りませんが、
アイドルの楽曲にまつわる怪奇な噂と、そこで疑惑を持たれる”影”の存在・・・
V3こと風見志郎の妹がその疑惑のアイドルという事でなかなか上手に3人のライダーを物語に絡ませている・・・
出来の悪い前作を見ないと1,2号ライダーの背負っているものがわからないので、
本作を見る前に予習をしていただいた方が良いのですが、あまりにも不出来なのでねぇ・・・
本作の出来の良さの割に話題に上がらなかったのはやはり前作で懲りたマニアが、
劇場に足を運ばなかった事が原因でしょうか?
不幸にも前作を見たからもうこりごりと思っている方は一度ご覧下さい・・・
「最初っからこれぐらい作れよ!」
と変な意味で憤慨する程の作品です・・・(^^)
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スピード・レーサー実に痛快!(^^)やたら彩度の高い絵造りで、しかも遠景は全周囲ポリゴンに、平面テクスチャ(いわばマット絵)を貼り付けただけのお手軽映像で、そこにひたすらハイスピードなだけで重量感の欠片もなく跳んだり跳ね…(続きを読む)実に痛快!(^^)
やたら彩度の高い絵造りで、しかも遠景は全周囲ポリゴンに、
平面テクスチャ(いわばマット絵)を貼り付けただけのお手軽映像で、
そこにひたすらハイスピードなだけで重量感の欠片もなく跳んだり跳ねたり横向いたりという、
ゲーミーな挙動しかしないカーアクションの垂れ流しと思っていたのですが、
物語が実に面白い!!
ありきたりと言ってしまえばそうなんですが、レース界を裏で牛耳り、
その成績で株価を操作し企業買収を優位に働かせようとする大企業・・・
その陰謀に主人公スピード・レーサーの卓越したテクニックと、
家族の絆で立ち向かうレーサー家一同・・・
その勧善懲悪なストーリー展開は古き良きテレビマンガ時代の本作品の原作、
「マッハGO!GO!GO!」に通じるモノがあり、非常に痛快!!
それでいてきちんと時事ネタと言って良い様な株価操作や企業買収を、
子供達でもわかりやすく織り込んでいるのだから見事なシナリオワーク!
まぁ、本作に登場する子供の描写が些か"おバカ"過ぎるのは玉に瑕ですが、
それも愛嬌と取れる程完成度の高い娯楽作品です!
でも日本で受けない作品である要素もてんこ盛りなので、見て損したという人もいるでしょうねぇ・・・
やはり本作のレースシーンはCGで描き込まれたゲーム的な表現と言っても、
それは「マリオカート」等のパーティーレースの表現であって、
「リッジレーサー」や「グランツーリスモ」のリプレイ画面の領域にすら届いていない・・・
描画速度が速いだけで、カメラアングルやカメラワークを駆使しての、
臨場感や加速感、そこにみなぎる力感や重量感の再現など念頭にない、
まるでトイ・ラジコンやミニカーが走行している様な描写では納得しない人も多いでしょう・・・
さらに劇中に登場するゼッケン6のマッハ号・・・
単座型の純レーシングマシンとして描かれているマッハ6のデザインは、
中村光毅氏デザインのシンプルにして究極のレーシングカーである、
オリジナルのマッハ号への冒涜とも取れるような、アメリカ人特有の、
過剰なサービス精神に満ちた下品なデザインのモノ・・・
ホイールの外側に位置するM字型のサスペンションなんて過剰な装飾以外なんでしょうねぇ?
オリジナルのマッハ号も多少リファインしマッハ5として登場しているだけに、
そのデザインのクオリティの差はマニアにとっては許されざる不満点でしょう・・・
制作サイドもその差を理解しているのか、実車を制作し舐める様に描き出すマッハ5と異なり、
画面上のマッハ6は圧倒的な速度で違和感を感じ取る前に通り過ぎる様な演出だけなので、
作品だけを見ていればそれほど不満は出ないかもしれないが、
間違ってもマッハ6のミニカーやトイを手にしない事をお勧めします・・・(^^)
また物語の最後のゴールシーンは爆発炎上の炎をくぐり抜けるのではなく、
クリーンなレースとして正攻法でオーバーテイクをして、清々しくチェッカーを受けて欲しかった・・・
ただ勝ちさえすれば良いってモノじゃないのが日本人の勝負観で、
同じ勝つのなら正々堂々と清々しく勝利する事が求められる・・・
そのあたりは日本通のウォシャウスキー兄弟でも描ききれなかったのでしょうかねぇ?
色々と突っ込み処を上げれば両手の指でも足りない作品ですが、
それでもファミリードラマとしての暖かさと、痛快アクション娯楽としての小気味よさに満ちた作品ですから、
家族で過ごす何もない休日にお薦め出来る作品です。
さらに言えば食わず嫌いで避けて通らずに、是非一度ご覧頂きたい作品です・・・ -
ALWAYS 続・三丁目の夕日冒頭の「巨大生物東京に現る!!」は些かやり過ぎの感はありますが、東宝としてはあの大怪獣を復活させたくて様子を見ているのかもしれませんねぇ・・・それはともかく大ヒット作「ALWAYS 三丁目の夕日」の続…(続きを読む)冒頭の「巨大生物東京に現る!!」は些かやり過ぎの感はありますが、
東宝としてはあの大怪獣を復活させたくて様子を見ているのかもしれませんねぇ・・・
それはともかく大ヒット作「ALWAYS 三丁目の夕日」の続編で完結編です。
相も変わらず淳之介君の行方でもめている茶川さんと、親戚の”元"お嬢様を預かる事になった鈴木オート。
淳之介君の将来を賭けた茶川さんの挑戦!鈴木オートの全面支援を受けて原稿は進んで行く・・・
身請け話と約束の指輪で揺れ動くヒロミさんの心・・・
新聞記者によって伝えられる最終選考進出の報・・・そして芥川賞選考委員との出会い・・・
いよいよ芥川賞発表の日・・・茶川さんの運命は・・・
一作目に比べて公開後の話題が寂しかった本作・・・
やはり自画自賛とも取れる物語は流石に引くモノがあります・・・
一作目は素晴らしいお話です・・・でもその話を振り返って再び感動させるのは難しい・・・
そこで大団円に向けてのどんでん返し・・・
でも、予定調和過ぎて前作のように何度見てもと言う所まで深く刺さらない・・・
ほっとした所で生活のめどが立ったおじさんが美加ちゃんを迎えに来る・・・
別れ際のプレゼント・・・お礼に可愛らしい約束・・・
ラストは物語を語った二つの家族が片方は東京タワーの展望台で、
片方はまだ上空が開けていた日本橋でそれぞれ夕日を眺めている・・・
前作のクオリティを期待してしまうと先述の自画自賛で盛り下がってしまう本作・・・
しかし前後二部作としての完結編としては申し分のないお話なので、
前作をご覧の方には気楽にご覧頂きたい作品ではあります・・・ -
ALWAYS 三丁目の夕日建設中の東京タワーを遠景に眺めるノスタルジックな町並み・・・平成の世を生きる人には懐かしい過去でも、当時の人としては、時代の最先端を切り開いていた活気ある時代・・・三種の神器「テレビ、冷蔵庫、洗濯機」…(続きを読む)建設中の東京タワーを遠景に眺めるノスタルジックな町並み・・・
平成の世を生きる人には懐かしい過去でも、当時の人としては、
時代の最先端を切り開いていた活気ある時代・・・
三種の神器「テレビ、冷蔵庫、洗濯機」を所有する事が成功のシンボルとされ、
まだまだ生活に余裕などそれほど無いはずなのに、緩やかな時間が流れていた頃の、
ちょっとだけドラマチックな出来事の数々・・・
改めてDVDで見直すと結構CGと実写の境目が見て取れて"作り物"感は感じられるのですが、
そんな事も意識しなくて済むような心の琴線に響く物語です・・・
物語の中心は売れない小説家で駄菓子屋の店主である茶川さんと、
そのお向かいの自動車整備工場「鈴木オート」に暮らす人々・・・
注文したテレビが届くのを心待ちにしている鈴木オートの家族と、
そこに集団就職でやってきた六子ちゃん・・・
一方茶川さんの所には小料理屋の美人女将ヒロミさんから預かった淳之介君がやってくる・・・
そして町内のみんなを巻き込んでドタバタと騒動が起きてそれぞれの絆が深まって行く・・・
そんな中でのそれぞれのクリスマス・・・その贈り物に込められた想いに喜ぶ顔、涙する顔・・・
しかしその想い等素知らぬ顔の運命に引き裂かれる者、運命に逆らって帰ってくる者・・・
一方で想いを受け止めて旅立つ者・・・見送った家族が見るのは完成した東京タワーに沈む夕日・・・
本編の至る所に散りばめられた想い・・・
ライスカレーの食卓、タヌキの見せた夢・・・高円寺への冒険と母のお守り・・・
男同士の助け合いに本当にいたサンタクロース・・・そして想いのこもった約束の指輪・・・
血の繋がった親子を越えた、あかの他人の絆・・・そして故郷からの手紙に秘められた想い・・・
心の琴線に響く物語は時代を経ても色あせることなく、
そして何度繰り返しても筋書きがわかっていても感動出来る物です・・・
その時代を生きてきた人、何となくその面影を知っている人、
右肩上がりが行き着いた先のバブルの申し子と、それが弾けた跡しか知らない人・・・
どの世代の人が見てもそこには変わらない想いがある・・・
そんな作品ですのでご家族で昔話をしながらご覧頂ければと思います・・・
あなたの知らない世界・・・
我々の日常とはちょっと違う世界での、何気ない日常を描く作品たち・・・
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