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  • 2点 コクリコ坂から
    コクリコ坂から
    高校にあるズタボロの部活棟?“カルチェラタン”の取り壊しか存続かを巡る学園闘争を背景に、16歳の松崎海(長澤まさみ)と17歳の風間俊(岡田准一)の初々しい恋を描く。時は高度成長に沸き、東京オリンピックを翌…(続きを読む)
    高校にあるズタボロの部活棟?“カルチェラタン”の取り壊しか存続かを巡る学園闘争を背景に、16歳の松崎海(長澤まさみ)と17歳の風間俊(岡田准一)の初々しい恋を描く。時は高度成長に沸き、東京オリンピックを翌年に控える1963年の横浜を舞台にした青春アニメ映画だ。

    まず、ジブリ流の伝統的なお家芸やお約束要素を作画に所々盛り込むが、映画として足りないものばかりで、絵やらストーリーに至る全ての面で良くも悪くもインパクト不足だ。

    全体を通して気になるシーンやクライマックスが無く、それなりの見せ場が欠如し正直観ていて飽きる。メリハリある展開やエピソードもなく、登場キャラへの感情移入が全く沸いてこない。
    何たって、アニメでキャラ度が薄い・・・これってジブリ作品にとっては致命傷だと思う。

    結局、本作品にはファンタジーなど一切存在せず、制作サイドからのテーマやメッセージは全く発信されてないと感じた。だから当然、自分には引っ掛かる物は何も無く、ただ淡々と流れる映像を視覚で受け入れ脳で記憶処理するだけの単調作業に追われる破目となってしまった。

    海と俊が「血の繋がった兄妹だった」と判明するもにも拘らず、海が路面電車前で「たとえ兄妹でも好き!」って告白するシーンから、オ〜オっ!こっ、これは、『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ!』的なタブーを打破する禁断の兄妹愛の始まりか、過激な民放恋愛昼メロのパターンなのかい?いよいよ大人向けジブリの解禁か?と妙な期待を誘ったが、ご都合主義のありふれた二人の顛末に意気消沈。こんな設定や展開は今迄散々他の作品に取り入れられ、新鮮さも珍しさも一切ない。

    海と俊が「兄妹じゃなかった」ってことが本作最大の目玉で明るい夢や希望としてのテーマや答えなら、どうしたものだろう?よっぽど、主人公の夢や妄想オチの方が遥かに受け入られそうだ。そもそもこんな現実味しかない話しや展開ならば、わざわざアニメにする必要もなく、本作品の声優陣に起用した俳優・女優で実写版にした方が映画としてはマシだったのでは?

    因みに、タイトルのコクリコ坂の「コクリコ」は、「コクリ」=告白(コクハク)するを今風に「コクル」、「コ」=娘からもじり、「娘の海が告白する坂」だと思っていたが、告白は路面電車の停留所で全然違う。どうやらタイトルの真意は、下宿近辺に咲いていた花の名前だそうだが、花の存在など全く記憶に残ってない。
    と、こんなタイトルと作品内容の紐づけや括りが弱いのもジブリらしからぬ痛い点だ。

    ただ、視聴者にノスタルジーを感じさせさえすれば、作品評価への頼もしい追い風にもなるが、このノスタルジーの風を感じ取れるのはせいぜい50代以降の方々だけだろう。よって、ジブリの主要顧客であるべきお子様方には、全く楽しめなかったと思う。もし機会があれば、チビッ子達に本作品の感想を是非聞いてみたいものだ。

    子供が、いやいや大人だって夢や希望を持てない作風が今後も続くならいっそうのこと、「R18指定の大人向けジブリ作品」への路線変更を本格的に試してみてもイイのでは?
  • 2点 テラー トレイン
    テラー トレイン
    国際大会出場のためリトアニアに遠征中の米国インディアナ大学レスリング部。その部員であるアレックス(ゾーラ・バーチ)達は、翌朝の列車に乗り遅れてしまう。途方に暮れていたころ、親切な現地女性が乗るべき列車…(続きを読む)
    国際大会出場のためリトアニアに遠征中の米国インディアナ大学レスリング部。その部員であるアレックス(ゾーラ・バーチ)達は、翌朝の列車に乗り遅れてしまう。途方に暮れていたころ、親切な現地女性が乗るべき列車を教えてくれる。しかし案内された列車は、決して乗ってはいけない殺人列車だった・・・。
    そんな列車内密室型のスプラッターホラーだ。

    列車つながりで言うならば、間違ってもテレ朝の『世界の車窓から』でロケ先の車両に選ばれる事は無い、ナレーターの石丸謙二郎さんも言葉を失う地獄への直通列車である。

    中盤まで犯人グループの正体や残虐行為の目的が演者・視聴者側共に全く掴めず、理不尽ながらもそのミステリアスな展開は良かった。
    だが、どう言う訳かまたもや東欧が舞台だし、雰囲気や映像とやらかす残虐行為は映画『ホステル』の列車版みたいでオリジナリティーや目新しさは感じられない。

    更に犯人の目的が明らかになるにつれ、眼球そのまんまとか、片足や男性局部は切り取っても無理じゃネ?って言うか、そもそもどんな臓器でも「素手じゃなく清潔な手袋くらいしろよッ!」と、謎の答えに対する率直なツッコミと感想であった。
    こんな感じで中盤以降、犯人と同様に製作者側もかなり雑な作業へと変わっていく。

    また、何の捻りやアイデアの欠片も無い後半やラストも頂けない。
    こんなジャンルの映画はラストでホっとしたのも束の間、更なるどうしょうもない絶望感や追い打ちがあってこそ、真の恐怖をジンワリ実感できる筈なのだが・・・。製作者サイドは中盤迄で全ての知恵とスタミナを使い果たしてしまったようだ。

    そして最大の疑問として、そもそも世界レベルの「レスリング選手」って言う、さも強そうなキャラ設定は必要であったのだろうか?
    実際のレスリング選手であれば、一般人より遥かに格闘にたけ、タフで強いと思う。それが、ただ逃げ回るか銃も持たない犯人相手にレスリングらしい技で応戦する事無く、サクっとKOされ殺られちゃう不甲斐なさには絶句であった。

    この映画を観たIOCの種目選考メンバーが映画のレスリング選手の残念さかげんに落胆し、2020年オリンピック種目除外候補にあげてしまったとは考えたくもないが。
    (まっ、実際のところは五輪精神には程遠い、お金が絡む何とも空しい大人の事情が最大の理由らしいですが・・・。)
  • 3点 麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜
    麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜
    原作やTVドラマシリーズを全く見たことがない人でもすんなりと入り込める、まさに鑑賞「新参者」にとっては安心な敷居の低い劇場版だ。予め留意しておきたい点として、刑事物と聞き連想しがちなハリウッド映画のよう…(続きを読む)
    原作やTVドラマシリーズを全く見たことがない人でもすんなりと入り込める、まさに鑑賞「新参者」にとっては安心な敷居の低い劇場版だ。

    予め留意しておきたい点として、刑事物と聞き連想しがちなハリウッド映画のような銃撃戦や爆破、ド派手なアクションやカーチェイス等のエンターテインメント要素は一切存在せず、それらを期待さえしなければ刑事サスペンスとして楽しめるのだと思う。

    主役である加賀恭一郎(阿部寛)刑事は、まるで複雑に散りばめられたピースの様な事件の全貌とその背景に隠された人物の心情や言動心理、人間性を知り地道に拾い集め繋ぎ合わせ人間関係のパズルを完成させる捜査を首尾貫徹する。
    本来そうあって欲しい事件捜査刑事のスタイルには共感が持てる。

    って言うか、そもそもドラマでよく耳にする「刑事の直感」とやらで、ただの「感」を頼り何の根拠の欠片もなく捜査・逮捕されたんじゃ堪ったものじゃないが。

    しかし、視覚面でのメリハリやインパクトがない分、視聴者の興味やテンションを引っ張り続けられる脚本構成がないと大コケしてしまう紙一重な不安感もある。
    が、その不安要素を払拭するシナリオ構成と展開は秀逸なのか、徐々に解き明かされていくプロセスはスリリングであり、刑事サスペンスとしてのシナリオ完成度は高いと感じた。
    よって、本作の評価は映画として視覚面の評価ではなく、あくまで事件解明のシナリオ構成のみを評価させて頂きました。

    ただ、キャストの設定等に疑問点も。
    序盤、警察による緊急配備の中、不審な人物として八島冬樹(三浦貴大)が職質をかけられ逃走し、警官の無理な追跡の末、車にはねられ後に死亡してしまう。おまけに事件の真相が明らかになるまで警察やマスコミからは犯人扱いと散々。容疑者を死亡させる大失態の割に、警察側やマスコミからの謝罪は一切ない。しかも警察側の責任問題は何ら追及されず、何事も無かったかの如く幕を閉じてしまった点は到底見過ごせない。

    また、無実の恋人を亡くした中原香織(新垣結衣)ですら、この不審点を警察に追及するどころか、警察に「感謝してる」って一体どんな脳細胞で善悪や感情が構成されているのか不思議でならない。
    まっ、警察が主役の物語なんだから、間違っても悪者になる訳もないか・・・。

    TV版ではレギュラー出演の向井理だが、映画版での「ポスター出演」には大爆笑!
    瞬きすれば確実に見落とす、超瞬間出演だった。これっポッチでもエンドロールにしっかりと名前が載るんだから、芸能界のギャランティーのシステムは未だに理解不能だ。
  • 4点 スペル
    スペル
    銀行の融資担当クリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)は、延滞続きの老婆ガーナシュ(ローナ・レイヴァー)の支払い延長願いを断る。そこで逆切れ、逆恨みした老婆はクリスティンへ呪いをかけてしまう・・・…(続きを読む)
    銀行の融資担当クリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)は、延滞続きの老婆ガーナシュ(ローナ・レイヴァー)の支払い延長願いを断る。そこで逆切れ、逆恨みした老婆はクリスティンへ呪いをかけてしまう・・・。
    はた迷惑な老婆にかけられた呪いの呪縛から逃れようと、必死に抵抗するクリスティンの壮絶な運命と顛末を描くオカルトコメディーホラーだ。

    そもそも呪いをかけられるクリスティンは、業務を遂行しただけで何の非もなく、とんだトバッチリ。ローンの延長願いも3回目で、銀行側がそれを断るには十分すぎる理由であり、典型的な逆ギレのパターンだ。
    しかも逆恨みの報復内容は、北斗の拳のラオウがレイに突いた秘孔「新血愁(激痛と恐怖に蝕まれながら、三日後に全身から血を噴き出して死ぬ)」の如く、三日後に死ぬ呪いをかけるとんでもない「暴走老人」だ。

    作品内容であるが、オカルトやホラー要素を十分に満たし、驚きやキモグロいシーンも申し分ない。シナリオや構成展開もよく練り組み立てられており、飽きることなくラストへ突き進める。
    これらだけでも作品ジャンルの必須要綱を満たし評価達成に値するが更に、お笑い要素がふんだんに盛り込まれ怖くて笑える何とも贅沢で欲張りな構成となっている。
    ただし、純粋に恐怖やキモグロを追求しそれを目的にチョイスした方には、作品の着地点が見えず受け入れ難いかも。

    そこで、記憶に残った爆笑ポイントをいくつか。
    ≪駐車場で待ち伏せした老婆と、クリスティンとのファーストバトルシーン≫
    老婆が入れ歯を吹き飛ばし、歯がない口でガブリ!反則の噛みつき攻撃!が、キモいがたぶん痛くないだろう(笑) 
    一方、クリスティンは徐に凶器を手に取った!なっ、なにィ〜、掟破りの定規やホチキスだァ〜ッ!と、残念すぎる地味な文房具で果敢に応戦。
    あァ〜、シリアスな格闘シーンの筈がもはや小学生レベルの喧嘩で怖さよりも爆笑だった。

    ≪除霊儀式での一コマ≫
    かつて1969年に悪魔ラミアと対決したことがある、最も頼りになるであろう劇中最強のリベンジに燃える女霊媒師。除霊儀式もクライマックスの中、ラミアを生きたヤギに乗り移らせその「ヤギの首をナタで刎ねる→ラミア撃退」、が段取りであったのだが、ここで助手がまさかのナタを見事に大空振り!分かり易い芸人や新喜劇並みのオオボケお約束に、観ていて思わずズッコケた(笑)
    まったく、最強霊媒師に1万ドルも支払うが、単に助手の見事なボケを見せられただけで、バカ高い劇場入場券を買ったようなものだった。

    と、映画としてクオリティーを上げた、まるで『8時だよ!全員集合!』の「お化け屋敷コント」を見ているかのようで、どこか懐かしく楽しめた。

    映画『クイック&デッド』や『スパイダーマン』など、言わずとも知られている映画界を代表するサム・ライミ監督。しかし、彼のデビュー作はホラー映画界に衝撃を残した、あの有名な『死霊のはらわた』だ。
    こんな彼の原点やルーツを辿れば、本作オカルトホラー系は、彼の中に脈打つポテンシャルを最大限に引き出せる格好の作品ジャンルなのかもしれない。

『この、スカポンタ〜ン!!』

いくら脚本上の設定とは言え、ブッとんだおマヌケ行動で作品全体の印象が台無しに。自爆行為に等しい、そんな残念に思えた作品集。

『まだだ!まだ終わらんよ!』

制作サイドは、「粘り強い不屈の精神」or「負けを認めず諦めが悪い」どちらなんだろう?初作その域を越えられないまま以降は駄作で終るか、惰性で作り続けられた作品集。中には、しぶとく更なる続編の気配も・・・。
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