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さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について約3時間という長さを感じさせない展開のうまさと面白さ。前の大戦で心に傷を負った若者が退廃的な日々を送る中、恋をして、親友と戯れ、今にも忍び寄る恐怖の時代を、自分らしく生きていく。ごく普通の家庭で育った…(続きを読む)約3時間という長さを感じさせない展開のうまさと面白さ。
前の大戦で心に傷を負った若者が退廃的な日々を送る中、
恋をして、親友と戯れ、
今にも忍び寄る恐怖の時代を、自分らしく生きていく。
ごく普通の家庭で育った主人公は作家志望で自分を曲げない。
親友は裕福で秀才だけど時代の思想に傾倒してしまい、
恋人は女優を目指すあまり主人公から離れていくも、惑い戻りたがるが・・・
あまりに正直で誠実で自分をも投げ出してしまう主人公。
こうありたいけれど、これでは生きられない。
そんな世間の不条理を淡々と描きつつ、
ラストにドーンとやられてしまうので、どうしていいのかわからない。
もちろんフィクションだからあざとい展開と片付けることもできますが、
そこまでのドラマで主人公の人となりになじみ過ぎているので、
この衝撃はつらい。
実際長いので時間の取れる休日前とか休日にじっくり味わうのをお勧めしたい秀作。
強いお酒が欲しくなるかもしれません。 -
NOPE/ノープSFのように見せかけたホラー。ホラーのようだけどそんなに怖くはない。後半の展開に驚く。意外性のあるビジュアルに目を見張る。前半がわかりにくくてダラダラするので、眠い時に観てはダメ。しかも伏線が細かく張っ…(続きを読む)SFのように見せかけたホラー。
ホラーのようだけどそんなに怖くはない。
後半の展開に驚く。
意外性のあるビジュアルに目を見張る。
前半がわかりにくくてダラダラするので、眠い時に観てはダメ。
しかも伏線が細かく張ってあるので、
ちゃんと見ていないと終盤で、ほ〜ナルホド〜にならない。
子役だったアジア系の男が馬を欲しがってたり、
主人公の父親が降ってきたコインで死んだり、
ちゃんと原因がわかるのです。
猿のテレビ番組の惨劇がなんで大きく占めているのかは、
子役だった男がこの映画中の事件の重要な原因にもなっていて、
その男が何でそんなことをしているのかの元になっているからで、
すべては繋がっているようです。
とにかく序盤が眠くなるので、後半の面白さを期待して頑張りましょう。
主人公も好感度高いイイ顔イイキャラしてます。 -
LOVELY RITA映像にとてもこだわりがある監督らしいですが、内容的に言わんとしているようなことはわかるものの、主役の抜擢に失敗してしまったようで、主役の意味不明な表情で何も伝わってこない。可愛くもない、賢くもない、ど…(続きを読む)映像にとてもこだわりがある監督らしいですが、
内容的に言わんとしているようなことはわかるものの、
主役の抜擢に失敗してしまったようで、
主役の意味不明な表情で何も伝わってこない。
可愛くもない、賢くもない、どちらかと言うとダメな少女が、
抑圧された環境で徐々に悪い方向へ向かっていくのを、
斬新な?映像で綴っていくのが、
ドキドキもしないし、ワクワクはないし、
イライラだけはするけれど、眠くもなった。
簡単に言えばつまんないわけで、
ラストに衝撃をくらわしても、はあ?〜ってくらいにしかならない。
普通の子がこうなっちゃうの凄いでしょ、って言われても、
思い付きでビックリさせられても、感心はしない。
とはいえ、その後の作品が面白そうで、
長編デビュー作を先に観てみたという経緯なので、
人と違うことをやろうとしているのだけは良いと思う。
ミヒャエル・ハネケの影響を受け、黒澤が好き(これは定番ですが)という。
ミヒャエル・ハネケ自身も2世で、
2世3世が恵まれた環境で目を引くだけの中身の薄いものが多い時代、
しっかりしたものが生まれているらしい期待を失いたくない。 -
悲しみよこんにちは原作を全然覚えていなくて、思い出すのに観てみましたが、なんだか雑な映画でした。フランスが舞台のフランスの話なのに英語劇で、会話がポンポン弾み過ぎで、お祭りのシーンなども激しく粗い。デヴィッド・ニーブン…(続きを読む)原作を全然覚えていなくて、
思い出すのに観てみましたが、なんだか雑な映画でした。
フランスが舞台のフランスの話なのに英語劇で、
会話がポンポン弾み過ぎで、お祭りのシーンなども激しく粗い。
デヴィッド・ニーブンの良さ、上品な上流の雰囲気はなく、
プレイボーイのカッコ良さも出ず、ただのだらしないオジサン。
デボラ・カーは硬いし、意地悪でバカっぽい。
さらにミレーヌ・ドモンジョはバカっぽく、尻軽で軽薄。
演出によるものだと思いますが、
洒落たブルジョワ感や、繊細な雰囲気がないので、
原作がだいぶバカバカしい話になってしまった感じ。
ジーン・セバーグは若くて初々しく、
このアイドル女優を見るだけの作品になってしまった。
残念な亡くなり方をしたのが悔やまれる逸材だったと思いますが、
丁寧なつくりで再度映画化されたらいいなと思います。
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