これまで多くの俳優さんによって演じられてきた大政治家伊藤博文。昨年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」でも劇団ひとりさんが演じる伊藤が大いに活躍しました。嘗て、その生涯を描く長時間ドラマで、三浦友和さんと平幹二郎さんが若き日の伊藤俊輔と円熟期の博文をリレーで演じたこともありました。その作品で、若き日の梅子夫人を演じたのは百恵さん。近年のドラマでは加藤剛さんの上品な伊藤が登場しました。いずれも良かったのですが、黒猫イチオシの伊藤博文は、嘗ての大河ドラマ「翔ぶが如く」で小倉さんが演じた明治初期の伊藤です。底辺から這い上がってきた男の悲哀、したたかさと人の好さ、そして、軽薄さの裏に秘められた底知れぬ智謀を感じさせる伊藤でした。懸命に大久保利通(鹿賀丈史)を補佐する姿が目に焼きついています。